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ワースト・アセス・コンテスト 評価書

事業名

八ッ場ダム環境影響評価書(1985年)

事業者

建設省関東地方建設局(当時)

注)「八ッ場ダム環境影響評価書」は,1978年の建設省事務次官通知「建設省所管事業に係わる環境影響評価に関する当面の措置方針について(昭和5371日 計環発第3号)」と別に定める「建設省所管事業環境影響評価技術指針(案)(建設省官技発第293号 昭和5371日)」にもとづいて,水質,地形・地質,植物,動物,自然景観の5項目に関する環境アセスメントが行われた。

 

1.                 実施されたアセス手続は事業による環境影響の回避や軽減に役立つか?(Yes・No) NOの場合、

なぜ役に立たないか?どのようにアワスメントだったか?より具体的な記入が可能であればお願いします。

項目

事業者による影響予測と評価

事業者の評価に対する応募者の評価

      環境項目

      影響予測

      保全対策

 

 

         「水質、地形・地質、植物、動物、自然景観」の5項目について影響を予測した。

         いずれの項目も影響はないとしている。

         保全上問題なし、環境保全に配慮する、影響を極力少なくするなどの表記がある。

         1978年技術指針(案)に示された「大気汚染、悪臭,土壌汚染、騒音、震動、地盤沈下」については影響予測がない。

         調査が不十分で、影響を予測するためのデータが少なすぎる。影響はないという結論に論理性、科学性がない。

         言葉だけで具体性がなく、意味のない記述が繰り返されている。

2.影響評価に必要な情報は公開されていたか?(Yes・No) NOの場合、

どのような情報が隠されていたか?

当時の状況が不明

3.環境影響を評価した項目は適切か?調査は十分だったか?科学的だったか?(Yes・No) NOの場合、

どのような評価項目が欠けていたか?

当時の建設省方針、技術指針でも、アセスは、科学性、適正性が必要であるが、それらをまったく欠いている。

4.方法書や準備書に対して提出された意見は合理的に反映されたか?(Yes・No) NOの場合、

何がどう反映されていなかったか?

住民や自治体の意見に関する記述がない。

5.地方公共団体は、住民意見や地域環境を適切に考慮して意見を述べたか?(Yes・No) NOの場合、

どのような問題があったか?

不明

6.環境省は自然環境の保護を任務とする省として果たすべき役割を果たしたか?(Yes・No) NOの場合、

どのような問題があったか?

不明(関与しなかったと思われる)

7.環境影響評価の実施時期は適切だったか?       (Yes・No) NOの場合、

影響を回避軽減するためには評価はいつ行われるべきだったか?

アセス実施後、20数年経過してから付帯工事に取りかかり、本体工事は未着工であることから、実施時期は不適切である。賞味期限切れのアセスである。

8.環境影響評価のための調査にかかった費用は?(            )円  不明の場合は空白可

9.アセス手続が客観性を疑われる根拠となる事実はあるか(調査を行った業者が事業者から天下りを受け入れている、関連事業者である等)(Yes・No)

当時のアセスは、あまりに杜撰であり、客観性どころか、かなり軽んじられていて、事業者がまったくお手盛りでやっていたという印象が強い。

10.皆様から寄せられて加えたワースト評価項目です。その他にもあればご自由にご記入ください。

・アセス手続きの事前調査や手続中の調査が環境影響を及ぼした。(Yes・No) Yesの場合、

・アセス手続の最中に事業者が事業を進捗させている。(Yes・No) Yesの場合、

・事業決定前に、目的の正当性、妥当性、効果の議論に十分な説明、参加、意見反映があり、環境影響が比較評価されたか。(Yes・No) Noの場合、

・周辺の複数開発事業との複合的なアセスは行われたか?(Yes・No) Noの場合、

・ゼロオプション(何もしない案)や代替案は検討されたか?(Yes・No)Noの場合、

・アセス手続で十分に住民意見等を言える機会があったか?(Yes・No) Noの場合、

・環境省の指針や関係省令そのものへの疑問がある(Yes・No) Yesの場合、具体的にご記入ださい。

・訴訟(有)の場合のアセスの関する争点や、裁判所の判断が示されている場合はその判断をご記入ください。

・賞味期限の切れたアセスは、やり直すべき。

・その他、特記事項 (どのようにすればよりよいアセスになるか)

ダム建設の場合、計画が立てられ、アセスが行われても、着工までに相当の年月を要する例が少なくない。その場合、アセスは古い制度で調査データも少ないまま、環境影響は軽微とされてゴーサインが出されている。しかし、着工までの長い期間の間に、継続して追加調査が行われ、膨大なデータが蓄積されている場合がある(データ蓄積のみで考察や影響予測はしない)。アセス後、着工までに長い期間が空いてしまった場合、たとえば5年経過してしまったら、社会状況も変わり、データも古くなっていることから、再度アセスを実施するような制度が必要である。